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メッセージ >
聖書の学び
Title
第10課「神のすべての武具をとりなさい(1)」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2019-03-08
読むみことば: エペソ6:10_18
覚えるみことば: エペソ6:11
参考にするみことば: ローマ12:21
教育目標: 神のすべての武具をとって、自分を守ることはもちろん、御霊の戦士として信仰によって世に打ち勝ち、多くの魂を救いの道に導くようにする。
1. 使徒パウロが監獄で記したエペソ人への手紙
聖書66巻は大きく二つに分けられます。イエス様のお生まれ以前に記された旧約聖書39巻と、聖霊降臨以後に記された新約聖書27巻です。エペソ人への手紙は新約聖書27巻の一つであって、異邦人の宣教をしていてローマの監獄に閉じ込められた使徒パウロが御霊に感じて記したものです。それで獄中書簡とも呼ぶエペソ人への手紙は、小アジア地域にいたエペソの聖徒たちと誠実な信仰を持ったクリスチャンたちに送った手紙です(エペ1:1)。
それでは、使徒パウロがエペソ人への手紙を記した理由は何でしょうか。異邦人の宣教のために、彼はユダヤ人の会堂を訪れて福音を伝えました。当時、エペソ教会を含めて小アジアの教会は異邦人とユダヤ人が混ざっていました。それで、使徒パウロは聖徒たちにキリストのうちに一つにならなければならないと教えようと記したのです。
6章で構成されたエペソ人への手紙は、キリストのうちにある教会、教会の中にいる聖徒たちの生活について具体的に記した後、最後に神のすべての武具について説明しています。神のすべての武具とは、全身に着けたよろいとかぶとを意味し、広い意味では戦闘に必要な万全の備えのことを言います。
2. 神のすべての武具をとらなければならない理由(10_11節)
それでは、<エペソ6:10>以下で聖徒たちに神のすべての武具をとりなさいと言われた理由は何でしょうか。この地上で信仰生活をしている間、絶えず敵である悪魔との霊的な戦いがあるからです。しかも今日のように主が再び来られる時が近いほど、敵である悪魔・サタンはほえたけるししのように、食い尽くすべきものを捜し求めて、ひとりでも多く死に導こうと必死になっています。したがって、終わりの時に生きていく聖徒たちは、さらに敵である悪魔との霊的な戦いで勝利するために、神のすべての武具をとらなければなりません。
10_11節に具体的な理由が記されていますが、まずは「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。」(10節)とあります。ここで「主にあって」とは「神のことばのうちに」という意味です。誰でも主にあって聖書66巻に記されている神のことばどおり生きていけば、強くされて霊肉ともに健康であることができます。したがって、「強められる」とは、たましいに幸いを得ているという意味です。
もともと人は霊が主人となって、たましいとからだを治めて生きました。ところが、神のことばに聞き従わなかったので、罪によって霊が死んでしまいました。愛なる神は誰でも主を信じて自分の罪を悔い改めれば、賜物として聖霊を受けて死んだ霊が生き返り、たましいに幸いを得る祝福を受けられるように、救いの道を開いてくださいました。
<第三ヨハネ1:2>に「愛する者よ。あなたが、たましいに幸いを得ているようにすべての点でも幸いを得、また健康であるように祈ります。」とあるように、たましいに幸いを得ていれば、すべての点でも幸いを得て、家庭、職場、事業の場、子どもなど、全般にわたって祝福されるようになります。私たちがいつも神のことばを口ずさみ、そのとおり守り行って主の中にとどまれば、神が霊肉ともに健康である祝福を下さって、私たちの道を平坦で栄えるようになさいます。
次に、「悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。」(11節)とあります。敵である悪魔・サタンは何としてでもひとりでも多く地獄に引いて行くために、世をますます罪と悪がはびこるようにします。神の子どもたちにさまざまな策略を巡らして、まだ捨てられていない罪の属性を通して働いたり、周りの環境を通して神のことばの中に生きられないように妨げたりします。
それで、神を信じると言いながらも真理の中で自分を守れない人、中途で倒れたり、まかり間違えば世に落ちたりする人もいます。また、神のことばをたくさん学んで真理を知っていても、いざとなると敵である悪魔の策略に勝利できない人もいます。これは全部神のすべての武具を身に着けていないからです。
神は聖徒たちの霊、たましい、からだが主の来臨のとき、責められるところのないように完全に守られることを望んでおられます(Iテサ5:23)。罪と悪がはびこっている世で、もし聖徒たちが神のすべての武具をとらなければ、危険になります。ですから、暗やみの勢力に立ち向かって自分を守ることはもちろん、世の光となって多くの人々を救いに導くためには、神のすべての武具を身に着けなければなりません。
3. 霊的な戦いの具体的な対象(12節)
それでは、神のすべての武具を身に着けて霊的に格闘すべき対象は何でしょうか。12節に「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。」とあります。
ここで「血肉」とは、この地上で朽ちて消えるすべてのものであって、具体的に物質や衣食住に関するすべて、名誉と権勢と地位などを言います。「血」とはいのちを意味します(レビ17:11)。今日、人が血、すなわち、いのちのように思うものは物質です。広い意味では、お金でできる衣食住に関するすべてのものです。このすべてが結局は世の血肉を取ろうとする格闘です。
それでは、血肉に対して熱心に格闘して残るものは何でしょうか。世で最高の富貴栄華を享受したソロモン王も「空の空。すべては空。」と告白しました(伝1:2)。血肉を取っても欲張ればきりがないし、仮に欲しいものを取ったとしても、結局むなしいのです。血肉のからだは神の国を相続することもできません(Iコリ15:50)。
したがって、私たちが神のすべての武具を身に着けて霊的な格闘をしなければならない対象は、永遠の神の国へと進む道を塞ぐ主権(政治的な事)と、力と、この暗やみの世界の支配者たちと、天にいるもろもろの悪霊たちです。
イエス様の時、先立ってイエス様を迫害して非難し、聖徒たちを弾圧した人たちはほとんどが主権と力を持っていた人々でした。その人たちは神を信じると言っても、いざとなると御子であるイエス様を認めないで、捕らえて殺すのに自分の主権や力を悪用しました。
今日も、主を信じる者たちを不当に迫害して、神の国が広げられるのを妨げ、神の子どもたちにあらゆる策略を巡らすすべては、この世を支配している暗やみの勢力に属する主権と力によって行われています。
ところが、私たちが格闘する対象が主権と力だからといって、主権と力を持っている人々に対抗して戦いなさい、という意味ではありません。私たちの戦いは信仰の戦いでなければなりません。誰かが迫害するからといって、その人に対抗して同じように戦うのではなく、善をもって悪に打ち勝たなければなりません(ローマ12:21)。
ここでさらに重要なことは、主権と力の上に暗やみの実質的な勢力があるということです。それは、暗やみの世界の支配者たちと、天にいるもろもろの悪霊たちなのです。まず、暗やみの世界の支配者としては、ルシファーと竜が挙げられます。彼らの位置を国にたとえれば、王と軍の将軍と言えます。彼らは国や世界で神に立ち向かう大きい流れに関わる働きをし、その下に仕えている天にいる悪い霊どもを指揮して、この世の暗やみを支配していきます。最もかしら格のルシファーはサタンと悪魔を支配します。サタンは私たちの思いを通して操ります。思いの中に真理でないものを吹き込んで、真理に逆らわせるのがサタンであり、それを行いとして現すようにさせるのが悪魔です。
ところが、実際に天にいる悪い霊どもに指示して、この地上でさまざまな暗やみのわざを行っていくのは、軍の将軍格の竜であり、この竜に指示された使いたちが人々に働きます。また、悪霊、悪い霊、汚れた霊、偽りの霊なども、おのおのその役割に応じて人々に働いて悪いことを行います。
私たちの目には見えませんが、霊の世界は確かに存在します。このような霊の世界があることを信じるなら、神のすべての武具を身に着けて、霊的な戦いで勝利しなければなりません。霊の世界で勝利してこそ肉の世界でも勝利できるので、さらに主にあってみことばどおり行って、たましいに幸いを得ている祝福を受けますように。
* まとめと適用
1. 私たちが神のすべての武具を身に着けなければならない理由は何でしょうか?
____________________________________________________________________________
2. 霊的に「血肉」とは何を意味するでしょうか?
____________________________________________________________________________
3. 私たちが神のすべての武具を身に着けて、霊的に格闘しなければならない対象は何でしょうか?
____________________________________________________________________________
* 今週の課題
次回は「神のすべての武具をとりなさい」二回目を学びます。特にエペソ人への手紙6章の13節から15節を読んできましょう。
* 知って力にしましょう!
「エペソ」
今日、トルコの西海岸にあるエペソは、初代教会当時、商業の中心地として各地から集まった商人と市民のためのさまざまな施設が並んでいる豊かな都市だった。使徒パウロは異邦人の宣教のために、第三次伝道旅行の時、エペソに二年間留まって福音を伝えた(使19章)。彼はここを小アジア地域の伝道中心地としたし、彼がエペソを離れた後はテモテが継いで働いた。エペソは使徒ヨハネの活動の中心地でもあった(黙2:1_7)。
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