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メッセージ >
聖書の学び
Title
第36課 「使徒パウロの善(2)」
Speaker
堂会長 イ・ジェロク 牧師
Bible
Date
2010-09-10
読むみことば: ローマ9:1-3
覚えるみことば: ローマ9:3
参考にするみことば: 第二コリント12:1-5
教育目標: 神が喜ばれる最高の善の次元に至った使徒パウロの心と行ないを調べて、神の御前に尊く使われるようにする。
使徒パウロは、一度受けた主の恵みに対する感謝が、どんな状況でも変わりませんでした。ひどい苦しみと迫害を受けるとしても、かえって主に感謝する心の香は、さらに濃く神にささげられました。ですから、悪をもって行なう相手のために自分の命も与えられただけでなく、驚くべき神の力を現して、ただ神にだけ栄光を帰しました。
それでは、新約時代の最高の使徒であり、神の力を現した使徒パウロが、どのように神が最も喜ばれる最高の善の次元に至れたのか調べてみます。
1. 自分を迫害する人々のために命を与えられる愛がありました
主を心から愛する人々は、日が経つにつれて、主のように魂たちを愛するようになります。イエス様がこの地上に来て十字架を負われた理由が、ただ罪人を救うためということを心の奥から悟るからです。イエス様は十字架につけられていながらも、自分を十字架につける人々のために「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」と祈られました。また、「わたしは 渇く。」と言われ、魂の救いに対する切なる心を表してくださいました。したがって、主を愛するなら、罪のために死に向かっていく魂たちを、憐れみと愛の心で見るしかありません。
使徒パウロは魂への愛がどれほど大きかったのか、[ピリピ1:8]に「私が、キリスト・イエスの愛の心をもって、どんなにあなたがたすべてを慕っているか、そのあかしをしてくださるのは神です。」と告白しました。彼は、イエス様が十字架につけられて激しい苦しみを受けながらも、かえって罪人たちを憐れまれたように、むごい迫害と患難にあった時にも、自分についての心配と憂いではなく、ただ教会と聖徒たちを心配して、彼らのために祈りました(第二コリント11:28-29)。また、聖徒たちが神のみこころに逆らえば、「私はしばしばあなたがたに言って来たし、今も涙をもって言うのですが、多くの人々がキリストの十字架の敵として歩んでいるからです。」と悲しみました(ピリピ3:18)。
使徒パウロは魂たちをあまりにも愛したので、各地の教会を回りながら、何としてでも聖徒たちが福音の真理の中を歩むように、夜も昼も、涙とともにひとりひとりを訓戒し続けました。それは福音を受け入れた聖徒たちにだけ限られていたのではなく、福音を排斥して迫害する人々に対しても同じでした。
それで、[ローマ9:1-3]に「次のことは、私の良心も、聖霊によってあかししています。私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。もしできることなら、私の同胞、肉による同国人のために、この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」とあるのです。
ここで「私の同胞、肉による同国人」とは、使徒パウロの肉的な家族と親戚を示すのではありません。それはユダヤ人とパリサイ人であって、パウロを迫害して妨げた人々を示しています。はなはだしきは、ユダヤ人の中にパウロを殺してしまうまでは飲み食いしないと誓い合った者たちもいました(使徒23:12-13)。それでも、パウロは自分が救われないとしても、自分を迫害して妨げる人々は救われてほしいと望む心で、神に切に祈りました。
このように、パウロは悪をもって行なう相手のために自分の命も与えられる、最高の善の次元に至りました。また、使徒パウロは「この私がキリストから引き離されて、のろわれた者となることさえ願いたいのです。」と告白しています。これは地獄に落ちることを意味しています。誰より地獄についてよく知っている使徒パウロが、彼らが救われることさえできれば、自分が代わりに地獄に行きたいと言っているのです。彼の魂への愛がどれほど大きいのかわかります。
2. 大きい神の力と深い啓示を受けたとしても、すべての栄光を完全に主に帰しました
新約時代の最高の神の力を現した使徒パウロは、生まれつき足のきかない人を歩けるようにするかと思えば、まむしに噛まれても何の害も受けませんでした。はなはだしきは、パウロの身に着けている手ぬぐいや前掛けをはずして病人に当てると、その病気は去り、悪霊も出て行く驚くべき奇蹟が現れました。
このように大きくて驚くべき神の力を行ないながらも、彼は決して自分を目立たせたり、高ぶったりしなかったし、ただ主にだけ栄光を帰しました。それで、[第一コリント15:10]でも「神の恵みによって、私は今の私になりました。そして、私に対するこの神の恵みは、むだにはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。しかし、それは私ではなく、私にある神の恵みです。」とへりくだって告白しています。
このようにへりくだった心を持っていた使徒パウロは、毎日が死の連続だった生き方を通して聖められ、神と明らかに交わって御霊のことを体験しました。それで、神は天国も見るようにされ、天でいただくようになる報いも教えてくださいました。結局、使徒パウロは御霊のことについて慕う心が大きくなったし、御霊の深い啓示を受けて、神と主と聖霊について、また、天国とメルキゼデクについても明らかに知りました。
彼は深い霊的なみことばを心によく留めておいて、恵みを受けるような人には聞かせて、主をさらに愛することができるように導きました。しかし、恵みを受けられないで、理解できない人々には伝えませんでした。
3. 自分を叫ぶ心が全くありませんでした
悪がある人々は、あることを悟ったり、幻を見て奥義であるみことばを聞けば、自分を叫ぶ手段として利用します。しかし、心が善なる人々は、祈っているうちに霊的なことを悟ったら、それを心に留めて自分に適用します。霊の目が開かれて何かを見ても、神に感謝して、さらに深い霊の世界に入って行こうとして、自分を叫びません。また、深くて奥義である霊的なみことばを聞けば、そのみことばを握って、何としてでも自分が変えられようと努力します。
使徒パウロは誰にも「私は神様に愛されて、このような深い啓示を受けて、神様と深く交わっている」と言いませんでした。善なる心の土台の上に、寛容と自制の実が結ばれていたからです。受け入れられない人にはどんなことも言わなかったし、十分言えることも、もしかしてつまずく人がいるかと思って、自制しました。
それで、[第二コリント12:1-5]に「無益なことですが、誇るのもやむをえないことです。私は主の幻と啓示のことを話しましょう。…このような人について私は誇るのです。しかし、私自身については、自分の弱さ以外には誇りません。」とあるのです。天国について知らせて聖徒たちに希望を与えようするだけで、自分を誇る心は少しもありませんでした。
そして、使徒パウロは聖霊に対する心が格別でした。自分自身が祈って得たのではなく、ただ自分のうちにおられる聖霊が働かれたのだと、いつも心から認めました。
もしかして皆さんの中には「私が祈ってみたらこうだった。私の心にはそう働きかけられない」と安易に言っていないでしょうか? もちろん、神の子どもとして当然聖霊の声を聞いて働きかけられ、御霊に導かれなければなりません。ところが、そうではなく、まるで自分だけが特別に霊的に優れているように、叫ぼうとしてそうしていないのか顧みますように。
また、牧者に祈りを受けたハンカチによって病人がいやされたとき、完全に栄光を神に帰したのか、それとも自分を少しでも叫ぼうとする心があったのか、チェックしてみなければなりません。心が善なる人は神の栄光を横取りしません。完全に神にだけ栄光を帰します。決して自分の力によって行なわれたのではないことを心から認めるので、全面的に神にだけ頼って、大胆に行なうのです。
したがって、善なる人が肉的には弱く見えることがあっても、霊的にはむしろ強くて、大胆で、力があるのです。使徒パウロも、自分の義を徹底的に打ち砕いた後には、いくら大きな驚くべきみわざを現しても、いつも心から「私は何もできませんが、神様の力によってできました」と告白しました。ですから、神の力を行なうほど、自分はさらに低くなり、神の栄光はより大きくなったのです。
神はこのように善なる心を持つ人を探して、賜物も与えて、神の力も授けて、大いに用いられます。[第一コリント11:1]の「私がキリストを見ならっているように、あなたがたも私を見ならってください。」という使徒パウロの告白のように、皆さんも最高の善の次元に至って、終わりの時、栄光の道具として尊く用いられますように。
*まとめと適用
1. 使徒パウロに関する説明です。正しければ○をつけてください。
①新約時代の最高の使徒として驚くべき神の力を現した( )
②主の恵みに対する感謝がどんな状況でも変わらなかった( )
③悪をもって行なう相手のために自分の命も与えることができた( )
④ステパノ執事が殉教した現場にいた( )
⑤パウロによって書かれた「パウロ書簡」は計14巻である( )
2. 使徒パウロの善が自分にどれほど結ばれているのか、チェックしてみましょう。
*今週の課題
次回はモーセの善について学びます。モーセが出エジプトの指導者として立てられる前は、どんな生き方をしていたでしょうか? 該当する聖書箇所を読んできましょう。
*「用語」を知って力にしましょう!
「パウロ書簡」とは?
パウロによって書かれた手紙のことである。新約聖書27巻の中には、使徒パウロによって書かれた手紙14巻がある。ローマ人への手紙、コリント人への手紙第一・第二、ガラテヤ人への手紙、エペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、テサロニケ人への手紙第一・第二、 テモテへの手紙第一・第二、テトスへの手紙、ピレモンへの手紙、ヘブル人への手紙である。その中でエペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、ピレモンへの手紙は、監獄に閉じ込められていた時に書いたものなので、獄中書簡と言う。
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